2013年5月5日日曜日

栗原邸(旧鶴巻邸)-京都府京都市山科区(2008.11.09)①

■栗原邸(旧鶴巻邸)
昭和4(1929)年
京都府京都市山科区御陵大岩17−2
本野精吾
※2008.11.09撮影

この住宅は、1929年に京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)校長、鶴巻鶴一の自邸として建てられました。設計者は、京都高等工芸学校教授で建築家の本野精吾(1882~1944)です。当時最先端の構法であった「中村鎮式コンクリートブロック造」で建てられており、合理性を追求したモダニズム建築だと言えます。しかし随所にウィーン分離派やアール・デコなどの影響を受けた装飾的で表現的なデザインも見られ、時代の変化の狭間に生み出されたものであることを感じさせます。室内には、染織の専門家であった鶴巻自らの手による襖絵や、本野のデザインによる複数の家具も残されています。この建物の文化的・歴史的価値をより多くの方々に知っていただくため、現住人の栗原氏のご好意により、期間を限定して公開することになりました。
-栗原邸(旧鶴巻邸)一般公開チラシより転載-