2012年4月5日木曜日

室津半島藻振鼻-兵庫県たつの市(2012.03.31)

■室津半島藻振鼻
兵庫県たつの市御津町室津
※2012.03.31撮影

玉藻刈る 唐荷の島に 島廻する 鵜にしもあれや 家思はざらむ~山部赤人~

室津の沖合いに連なって浮かぶ三つの小島が唐荷島。「播磨国風土記」によると、韓人の船が難破してその荷が漂着したので韓荷島というとある。手前から「地の唐荷島」、「中の唐荷島」、「沖の唐荷島」とよばれ、干潮時には「中の唐荷島」と「沖の唐荷島」はつながり、潮干狩りでにぎわう。唐荷島は小さな無人島だが、二つの点で有名。ひとつは室津の入口をしめすめじるし。地乗りの航海では山や島が大切なめじるしとなった。もうひとつは歌枕として…山部赤人がこの島を通過する時に詠んだ歌が万葉集に収められていて、それ以後、多くの歌人にこの島は詠まれている。唐荷島が一望できる「藻振鼻」には、山部赤人の歌の歌碑があり、書は故犬養孝氏。その原書は掛け軸になり、海駅館の床間にかかっている。