■道明寺
6世紀末
天正 3(1575)年 大火で焼失
明治 5(1872)年 神仏分離によりこの地に移転
大阪府藤井寺市道明寺1-14-31
山 号:蓮土山
宗 派:真言宗御室派
本 尊:十一面観音菩薩(国宝)
開 基:土師連八嶋
札 所 等:尼寺三十六箇所23番、聖徳太子霊跡3番、河内飛鳥古社寺5番
文 化 財:木造十一面観音菩薩立像(国宝)
※2016.10.29撮影
◆大阪高低差学会 2016 秋のフィールドワーク「道明寺」
道明寺周辺は、菅原道真の祖先にあたる豪族、土師(はじ)氏の根拠地であった。道明寺は土師氏の氏寺土師寺として建立され、今の道明寺天満宮の前にあった。当時は七堂伽藍や五重塔のある大規模なものであった。
延喜元(901)年、大宰府に左遷される道真がこの寺にいた叔母の覚寿尼を訪ね「鳴けばこそ別れも憂けれ鶏の音のなからん里の暁もかな」と詠み、別れを惜しんだと伝えられる。この故事は、後に人形浄瑠璃・歌舞伎の『菅原伝授手習鑑』「道明寺」の場にも描かれている。道真の死後、寺名は道明寺と改められるが、これは道真の号である「道明」に由来する。
天正 3(1575)年には、兵火で天満宮を含む寺の大部分が焼失するが、後に再興。明治 5(1872)年の神仏分離により道明寺天満宮境内から現在地に移転した。