2011年9月2日金曜日

古澤家住宅主屋-兵庫県神戸市東灘区(2007.06.04)

■古澤家住宅主屋
大正14(1925)年
兵庫県神戸市東灘区深江南町1-3
設  計:ラディンスキー
構  造:木造、地上2階、天然スレート瓦葺
国登録有形文化財
※2007.06.04撮影

「深江文化村」に残る2軒の内の1軒
明治後期から昭和初期までの阪神間モダニズムとよばれた時代、阪神間は富裕層の別荘地であった。大正時代後期、理想とする住環境を創造するために資産家と医師、建築家吉村清太郎(元ヴォーリズ事務所)らが手を組んで芦屋川西岸に建設した西洋館街が後に深江文化村と称されるようになった。敷地面積は約3000坪、中央に広大な芝生庭園が造られ、それを囲むように13軒の西洋館が配され、そこに9カ国13組の家族が居住した。 当時、現在の芦屋市・神戸市東灘区周辺には欧米の音楽家が多数居住しており、深江文化村にロシア革命を逃れてきたルーチンやメッテルらが移り住んだことで、文化村とその南西に建設された長期滞在型オーベルジュ「文化ハウス」は、音楽による国際交流の場にもなった。その後、西洋館の多くは老朽化や阪神淡路大震災などで喪失した。2009年現在、2軒(登録有形文化財)が現存しわずかに当時の面影を伝えている。