2011年10月27日木曜日

旧松岡商店事務所・蔵及び寺内家住宅-群馬県桐生市(2010.12.30)

■旧松岡商店事務所・蔵及び寺内家住宅
昭和10(1935)年
群馬県桐生市永楽町6-7
木造平屋建、瓦葺、190㎡
※2010.12.30撮影

木造平屋建で、南北軸の事務所と東西軸の検帯場との二棟が南東隅で直交し、平面的には「L字形」となっている。その内側に蔵が組み込まれている。南側には東西軸の荷受場が取り付く。事務所は桁行12.94m、梁間6.29mで、内部は二間に仕切られている。外壁は正面、北面とも煉瓦色のタイル張で、総高は5.25m。屋根は寄棟造桟瓦葺。外観は洋風で、正面中央に玄関を設けその両側は窓となっている。玄関右には「松岡商店 店主寺内道次」の鋳造製銘板が取り付き、また、玄関左脇はモルタルによる花柄のレリーフが飾られている。事務所は東側の道路に沿った二間続きで、ともに板張りである。検帯場は織物製品を検品するための部屋である。寄棟造桟瓦葺で桁行12.56m、梁間6.26mで、屋根には採光用の天窓が設けられているが、現在は天井が張られているため内部からみることはできない。昭和35年ころ失火により内部が焼失したが、床や内壁を焦がしただけで構造体そのものが崩壊するほどではなかったという。荷受場は道路から直接出入りができるように土間となっている。正面左側にはタイル張りの袖壁が突き出る。また、右脇には特徴的な丸窓がある。屋根は切妻造鉄板葺の和小屋で、採光用の天窓が取り付いている。現在、事務所の玄関に取り付けられている手動巻上げ式のシャッター扉は当初のもので、その内側に両開き戸が付く。荷受場の出入口にも同様のシャッター扉が取り付けられている。松岡商店は買継商として戦前より海外と広く取引を行っていた。