■木之下城伝承館(旧堀部家住宅)
愛知県犬山市大字犬山字南古券272
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※2016.05.01撮影
▶主屋
明治16(1883)年
木造2階建、瓦葺、建築面積196㎡、1棟
北側道路に沿って建つ木造2階建で,切妻造,桟瓦葺の平入である。桁行9間半,梁間4間で,表と裏に瓦葺半間の下屋がつく。南面西端には水屋が付属する。内部は西に土間と台所,東に六間取の居室を配す。2階は座敷2室の他は物置とし,養蚕を行ったと伝える。
▶離座敷
大正元(1912)年~大正14(1925)年頃
木造平屋建、瓦葺、建築面積50㎡、1棟
主屋の南面東端に接続する木造平屋建で,桁行5間,梁間2間半の入母屋造,桟瓦葺とする。床,棚を備えた8畳座敷と押入を取り込んだ次の間7畳からなる。西面から南面へ縁を巡らせ,ガラス障子を建て込み,ガラス欄間を設ける。近代和風建築の一例である。
▶渡り廊
明治26(1893)年頃
木造平屋建、瓦葺、建築面積47㎡、1棟
主屋南面西端の水屋から敷地西辺に沿って南の土蔵前まで延びる。桁行9間,梁間7尺規模,片流れ屋根の桟瓦葺である。敷地外側の壁上部は波板鉄板張で,腰を押縁下見板張とする。内部には物置,便所,風呂等を配し,敷地内側に設けた土庇下を通路とする。
▶土蔵
明治26(1893)年
土蔵造2階建、瓦葺、建築面積54㎡、1棟
敷地の中央に建つ,桁行4間半,梁間2間半の土蔵造2階建で,切妻造,桟瓦葺とする。北側に片引戸の戸口2箇所を設け,1間幅の瓦葺庇をつける。外壁は漆喰塗で,軒下まで押縁下見板張で養生する。内部は西から2間位置で間仕切りする。小屋組は登り梁である。
▶作業場
明治26(1893)年
木造平屋建、瓦葺、建築面積69㎡、1棟
土蔵の東に接続する切妻造,桟瓦葺の木造平屋建。桁行3間半,梁間2間の物置に,落棟で桁行3間,梁間2間の農作業小屋が接続し,これに桁行3間,梁間2間の蚕室を並置する。外壁は真壁造の白漆喰塗りで,腰を下見板張りとする。同家の生業を示す遺構である。
▶高塀
昭和元(1926)年頃
木造、瓦葺、延長22m、1棟
敷地の北辺,主屋の前面に並行する木造の塀である。折曲がり延長22mで瓦屋根を葺く。玉石積の基礎上に建ち,要所に控柱を添える。外面は腰に波形鉄板張り,内面は土壁中塗仕上げとする。主屋との間は1間半幅の前庭とする。重厚な街路景観を形成している。